モニターのレビューの中に Retina のほうが画質が綺麗だったという意見があったので、改めて Retina ってなんだっけ?ということをまとめてみました。
こんにちは、makotoです!
iPhone や Mac に搭載されている Retina ディスプレイは高画質でめっちゃ綺麗というイメージが浸透しています。
確かに液晶は綺麗なのですが、Retina ディスプレイが特殊な構造を持っているために高画質を実現しているというわけではありません。
実は、ディスプレイの構造は同じなんです。
Retinaとは
ディスプレイの構造が同じなのであれば、他との違いはどこにあるんでしょうか?
その答えは、画素密度にあります。
ざっくり説明すると、画素密度というのは同じディスプレイの面積あたりにどれだけ画素(光る点)が詰め込まれているかという値です。
この画素密度が高ければ高いほど細かい表示が可能になります。
Retina ディスプレイの由来は英語で「網膜」を表す ”Retina” から来ていて、網膜で認識できる画素密度を上回る性能を持つディスプレイという意味で、Apple がマーケティング戦略としてつけた名前です。
ppi / dpi
画素密度はディスプレイの大きさと解像度で異なっていて、これを表す単位として ppi (pixel per inch) が使われています。
つまり、ppi でディスプレイの精細さが比較できるんです。
ppi = √(縦解像度)^2+(横解像度)^2 / (インチ)
dpi (dot per inch) も単位として使われることがありますが、ディスプレイにおいては ppi = dpi です。(印刷では ppi < dpi)
網膜が捉えられる画素密度の限界はだいたい 300ppi と言われています。
画素密度の比較
デバイス | 画面サイズ | 解像度 | ppi |
---|---|---|---|
iPhone 11 | 6.06 | 1792×828 | 326 |
iPhone 11 Pro | 5.85 | 2436×1125 | 458 |
iPhone SE (2nd) | 4.7 | 1334×750 | 326 |
iPad Pro | 11.0 | 2388×1668 | 264 |
Xperia 1 II | 6.5 | 3840×1644 | 643 |
MacBook Pro 2019 | 16.0 | 3072×1920 | 226 |
MacBook Air 2020 | 13.3 | 2560×1600 | 227 |
よくあるモニター | 23.8 | 1920×1080 | 93 |
よくある4Kモニター | 27.0 | 3840×2160 | 163 |
※iPhone X 以降の丸みを帯びたディスプレイは長方形に直したときのサイズで測定されています。
一般的な PC モニターに比べると Apple 製品の画素密度が高いことがわかると思います。
ちなみに、上記の Apple 製品はすべて Retina ディスプレイ搭載となっている製品です。(Liquid Retina, Super Retina 含む)
Xperia 1 II は前世代の Xperia 1 と同じスペックですが、4K というだけあって突出してます。
画素密度だけが正義ではない
冒頭で「Retina のほうが綺麗だった」というレビューを目にした話をしましたが、このレビューを書いた方は元々 iMac (27-inch, Late 2013) を使われていたようです。
実は、この iMac の解像度は 2,560×1,440 px で画素密度 109ppi なので、Retina ディスプレイではありません。
iMac シリーズに初めて Retina ディスプレイが搭載されたのは翌年に発表された iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2014) になります。
では、なぜ iMac のほうが綺麗だったと感じたのか。
これはおそらく色の表現力の違いやアンチエイリアスにあると思います。
ディスプレイによってコントラストが異なったり、アンチエイリアスの利き具合が異なったりすると映像の見え方も変わってきます。
TFT 液晶が一般的だったところに有機 EL 液晶が広まり、より色表現が広くなる HDR ディスプレイが搭載され…と、最早わけがわからなくなりそうですが、購入時には自分に合った性能を見つけるとハッピーになれると思います。
最後に
Apple は独自の規格や名称を貫いていることが多いですよね。
例えば、Apple が主張する 4K と一般的に言われる 4K では解像度が異なります。
他と比較するときには非常に頭を悩ませますが、それでも売上を上げ続けるのはさすがのブランド力というところでしょうか…。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!